「なぜ自分が招待されたのか分からない」
二つ目が、こういった「内閣の公的行事」に「私人」の昭恵氏が招待者を推薦することの是非だ。昭恵氏をめぐっては、森友学園をめぐる問題が取りざたされていた17年3月、上西小百合衆院議員(当時)の質問主意書に対して、政府は
「総理夫人とは、公人ではなく私人であると認識しており、それはお尋ねの『安倍昭恵総理夫人』についても同様である」
との答弁を閣議決定している。
内閣委員会での一連の答弁は、共産党の宮本徹衆院議員の質問に対するもので、宮本氏は共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版(10月13日付)の記事を引用しながら質問した。記事では、
「なぜ自分が招待されたのか分からない」
「思い当たるのは、あるイベントで昭恵さんと名刺交換をしたこと。それ以降、会の招待状が届くようになった」
「僕は政治家の知り合いがいないし、自民党支持者でもない。『昭恵夫人枠』としか考えられない」
などとする「関東近県に住む男性の言葉」を紹介している。仮に証言が正確だとすれば、「私人」が、一度名刺交換しただけの人物を推薦していたことになる。
安倍氏本人にも追及が強まりそうだ。安倍氏は11月8日の参院予算委員会で
「私は、主催者としてのあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめ等には関与していない」
と答弁していたが、11月20日の参院本会議では
「私の事務所においては、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方をはじめとして、幅広く参加希望者を募ってきたところだ。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者についての意見を言うこともあった」
と軌道修正。野党は11月8日の答弁が虚偽答弁だったとして、反発を強めている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)