プロ野球のDeNAは2019年11月18日、主力外国人4選手と来シーズンも契約を結ぶことを発表した。ホセ・ロペス内野手(35)、ネフタリ・ソト内野手(30)、エドウィン・エスコバー投手(27)、スペンサー・パットン投手(31)とそれぞれ契約が合意に達した。DeNAはすでに2人の新外国人選手を獲得しており、V奪回へ向けての体制が固まりつつある。
2020年シーズンもDeNAのラインアップに強力な助っ人陣が顔を揃える。日本球界8年目を迎えるロペスは1年契約。43本塁打、108打点のリーグ2冠のソトは、ほぼ倍増となる年俸1億8500万円で合意。MLBに挑戦する筒香嘉智外野手(27)が抜けた際には4番候補の筆頭となるスラッガーに大きな期待がかかる。
さらに2人加入のDeNA、一方の巨人は...
今シーズン、リーグトップの74試合に登板し、フル回転の活躍を見せたエスコバーと、セットアッパーとして22ホールドを記録したパットンも残留する。2投手ともブルペンを支える貴重な中継ぎで、チームのリーグ2位躍進に大きく貢献した。エスコバーは新たに2年契約を締結し、DeNAにとっては大きな「収穫」となった。
主力4人の残留に加え、2人の新外国人が加入する。マイケル・ピープルズ投手(28)とタイラー・オースティン内野手(28)だ。196センチの長身を誇るピープルズは今シーズン、3Aで25試合に登板しており、DeNAでは先発候補として期待される。ヤンキースでメジャーデビューを果たしたオースティンは、内外野を守れ長打力を備えるスラッガーで、メジャー4シーズンで33本塁打を記録している。
外国人助っ人の「補強」に成功したDeNAと対照的なのが巨人だ。巨人は今オフ、大量の外国人選手が退団する見通しとなっている。球団はアレックス・ゲレーロ(32)外野手をはじめとし、クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28)、ライアン・クック投手(32)、テイラー・ヤングマン投手(29)らと来シーズンの契約を結ばない方向。これに加えてスコット・マシソン投手(35)が引退したことで、主力の残留は、C.Cメルセデス投手(25)とルビー・デラロサ投手(30)の2人だけになりそうだ。
FA補強失敗、山口のMLB挑戦のWパンチ
巨人は当初、フリーエージェント(FA)で楽天・美馬学投手(33)とロッテ鈴木大地内野手(30)の獲得を目指していたが、いずれも獲得に失敗。FA補強に失敗した上に先発の大黒柱・山口俊投手(32)がポスティングシステムを利用してのMLB挑戦を表明したことで、外国人助っ人の補強が最重要課題となった。
今オフ、巨人は3人の外国人選手の獲得を予定していたが、FAの連敗と山口の移籍に備えて軌道修正するとみられる。外国人選手の補強を3人から4人に変更する見通しだ。補強の候補に挙がるのが、ナショナルズからFAとなったジェラルド・パーラ外野手(32)。メジャー通算11年で88本塁打、522打点をマークしており、外野のみならず一塁手の経験を持ち合わせていることから補強ポイントに合致する。
筒香のMLB移籍が決定的となっているが、今シーズン実績を残した外国人の主力4選手が残留し、さらなる補強にも成功したDeNA。一方の巨人は4人の新外国人選手の補強が見込まれるも、今シーズンのビヤヌエバ、クックらの例があるだけに一抹の不安が。15勝投手が抜け、助っ人陣の大量入れ替えが見込まれる巨人。戦力温存のDeNAは来シーズン、どこまで巨人を追い詰めるのか。今後の巨人の補強戦略に注目される。