5000円の会費が問題化していた、桜を見る会前日に行われた安倍晋三首相主催の「前夜祭」をめぐる問題で、地元後援会メンバーが参加したツアーを企画した旅行会社は、「前夜祭」料理や値段の交渉には関与していなかったことが明らかになった。2019年11月18日に行われた野党合同ヒアリングで、柚木道義衆院議員が旅行会社に出した質問状への回答の中で明らかにされた。
野党側は会場のホテルの相場では5000円での会食は不可能で、費用の差額を安倍氏側が補填(ほてん)していたとすれば公職選挙法などに抵触と主張している。旅行会社が関与を否定したことで、5000円という価格が安倍氏の事務所とホテル側の交渉で決まったことが浮き彫りになった。野党としては、安倍氏側にさらに説明を求めていく考えだ。
ホテルとの交渉「当社では関与しておりません」
柚木氏の質問は、大きく(1)ツアーの主催者は誰か(2)ツアーの参加者は何人か(3)ツアー代金はどのように徴収したか(4)ホテルと宿泊、「前夜祭」の料理や値段について交渉したのは誰か(5)東京で使用したバスを手配したのは誰か、の5点。旅行会社の回答では、ツアーは同社主催で、参加人数については「詳細はお答えいたしかねます」。代金については「当社と参加者との間で精算を行っています」、ホテルとの交渉については「当社では関与しておりません。但し、宿泊代金についてはホテルから提示を受けた宿泊料にてツアー代金を積算いたしました」と説明した。バスの手配については「ツアー参加者利用のため当社で手配しております」とした。
柚木氏は、旅行会社には「非常に誠実にご回答いただけた」としながらも、結果として「安倍事務所、総理に聞かないと分からない」点が多いことを指摘。野党は安倍事務所に質問状を出したが、安倍事務所は11月15日と18日のぶら下がり取材の首相発言で「回答に代える」として回答しなかった。野党側は、疑問点が解消されていないとして改めて追加の質問状を出し、回答を求めている。