券売機にクレカをタッチするだけで... 海外事例にみる「鉄道とキャッシュレス」

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   2019年10月からキャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)が始まった。これは対象店舗にてクレジットカードや交通系ICカードなどのキャッシュレス決済を通じて支払うと、支払い金額の2%ないし5%が還元される仕組みだ。

   今回は海外の事例も見つつ、鉄道とキャッシュレスの関係を広い視野で考えていきたい。

  • みどりの券売機
    みどりの券売機
  • プラハ地下鉄にある非接触型対応の券売機
    プラハ地下鉄にある非接触型対応の券売機
  • みどりの券売機
  • プラハ地下鉄にある非接触型対応の券売機

交通系ICカードでも「対象外」の場合が

   経済産業省により、10月1日からキャッシュレス・ポイント還元事業がはじまった。これは還元事業の登録加盟店にてクレジットカードや交通系ICカードの電子マネーなどのキャッシュレスを通じて支払うと支払い金額の2%ないし5%が還元されるもの。還元時期や還元方法はそれぞれ異なるので注意したい。実施期限は2020年6月までだ。

   原則として交通系ICカードは事業対象だが、対象外の交通系ICカードも存在する。たとえばJR東海の「TOICA」やJR北海道の「Kitaca」、福岡市交通局の「はやかけん」などは還元事業の対象にはなっていない。またポイントを受ける方法もカードごとに異なるので注意が必要だ。

   ところであまりのキャッシュレスの種類の多さに疲れを感じているのは筆者だけではないだろう。交通系ICカードも全国相互利用サービスができるものだけ絞っても10種類。しかも還元事業の対象外のカードもあり、とても複雑だ。

   一方、国内の鉄道ではクレジットカードで気軽に普通乗車券が購入できない。JR西日本では「みどりの券売機」で普通乗車券購入時にクレジット払いは可能だが、現金払いよりも倍近くの時間を要する。

車内リーダーにタッチ、切符発行なしで乗車

   海外に目を向けると、ヨーロッパの地下鉄や路面電車では非接触型(コンタクトレス)クレジットカードを券売機にあるカードリーダーにタッチすればすぐに切符を購入できる。ポーランド、ビドゴシチ市を走る路面電車やバスではクレジットカードを車内にあるカードリーダーにタッチするだけ。交通系ICカードと同じ要領で利用でき、切符は発行されなかった。

   一部の交通系ICカードにはクレジット機能も付いているが、新たにクレジットカードを発行するのも煩わしい。外国人観光客からすれば日常的に使用しているクレジットカードで改札機が通れたら大いに助かるはずだ。利便性とインバウンド対応の観点から鉄道とクレジットカードがより密接な関係になることを期待する。

(フリーライター 新田浩之)

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