「蕁麻疹、出ましたよ」
「(高校の)引退が早く終わっちゃったんで。僕、1人だけ工大(大阪工大高)に行って。バスに乗って、練習で、もまれて...ね。当時の『高ジャパ(高校日本代表)』の監督が、工大の先生だったんですよ。それで1人、武者修行に行っていました。勉強熱心だったところとかを買っていただけたのかな...って思います」
その真面目な姿勢とひたむきなプレー、卓越したキャプテンシーによって、廣瀬氏は「高ジャパ」の主将に選出された。しかし、そのプレッシャーから、
「最初は蕁麻疹(じんましん)とか出ましたよ」
全国高校ラグビーに出場できなかった選手が「高ジャパ」に入ること、ましてや主将に選出される...というのは、極めて異例なことだった。
そして、指定校推薦で慶応義塾大へ進学。「関東で勝負がしたかった」と話す。慶大でも主将、その後の東芝、そして日本代表でも主将を務めた。「2015イングランド大会」で、ヘッドコーチ(HC)を務めたエディ・ジョーンズ氏(現イングランドHC)も、「今まで見たラガーマンの中で、彼(廣瀬氏)ほどの知恵やキャプテンシーを持った選手を見たことがない」と、過去のインタビューで絶賛している。