原巨人、FA戦線「劣勢」の理由は? パに先行かれ...7年ぶり「ゼロ」も現実味

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   FA参戦の原巨人が苦境に立たされている。巨人が獲得を目指している楽天・美馬学投手(33)のロッテ入りが決定的となった模様だ。スポーツ各紙が2019年11月15日、一斉に報じた。

   ロッテは11日の初交渉で3年総額5億円超の条件に加え、医療面や家族を取り巻く環境面をアピール。ロッテが用意するあらゆる「条件」と「誠意」に33歳の右腕の心が傾いたようだ。

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原監督の直接出馬も実らず?

   巨人の「惨敗」ムードが漂い始めている。美馬獲得へ向けて巨人は交渉解禁日の11月3日に早速アタック。以降、計2度の交渉で3年総額5億円程度を提示したとみられ、環境面では在京球団のメリットを説いたという。そして13日には「切り札」として原辰徳監督(61)が直接出馬して4度目の交渉。球団として最大の「誠意」を示したが、美馬のハートをつかまえることができなかったとみられる。

   巨人が獲得に名乗りを上げているロッテ鈴木大地内野手(30)に関しても巨人の「劣勢」との声も。巨人はすでに3度の交渉を終えており、3年総額5億円規模の条件を提示したとみられる。これに対して楽天は巨人を上回る複数年の好条件を提示したとの報道もあり、金銭面に加えて将来の指導者手形を用意している模様だ。

   巨人にとって楽天と並んで「強敵」となるのはロッテだ。宣言残留を容認しているロッテは10月下旬に鈴木に対して残留要請を行っており、巨人と同じく3年総額5億円規模の条件を提示したとみられる。ロッテは残留の願いを込めて2020年度のオフィシャルカレンダーに鈴木を起用。条件面では楽天が優位に立ち、熱意ではロッテか。美馬に続いて鈴木に関しても状況は芳しくない。

移籍しても出場機会がなければ...

   過去のFAでは、マネーゲームで勝ち続け、球界最多となる26人の選手をFAで獲得。昨年は広島の大黒柱である丸佳浩外野手(30)を獲得するなどFAでは他球団を圧倒してきた巨人が、今年は「劣勢」を強いられている。在京球団の関係者はFA戦線の変化を次のように指摘する。

「FA権を持つ選手のほとんどが30歳前後で、移籍先の球団に金銭は当然ですが、チーム環境が大事な要素になってきます。今の巨人をみると、FAで移籍して常時活躍しているのは丸と山口くらいです。陽はサブ扱いですし、炭谷も微妙な立場にいます。投手陣でいえば、野上は結果を残せず、森福は戦力外となりました。今シーズンでいえば大竹が存在感を示したくらいです。FAで移籍しても出場機会がなければ意味がありません。レギュラーとして必要としてくれる球団に傾くのは当然のことで、金銭面が同等ならばなおさらでしょう」

   美馬、鈴木の獲得に失敗すれば、2012年オフ以来のFA補強ゼロとなる。そうなれば補強ポイントとなる投手力、内野強化は、トレード及び外国人助っ人の補強で補うことになる。日本シリーズではソフトバンクに4連敗を喫した巨人だが、ストーブリーグでもパ・リーグに屈するのか。FA戦線が最終局面を迎えている。

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