人気クレープ店「キャラクレ!」の従業員が不適切な行為をした問題で、テナントを貸す丸井は2019年11月11日、「多くのお客様に、ご迷惑とご心配をお掛けいたしました事、改めてお詫び申し上げます」と謝罪した。店側も5日に謝罪していた。
上記の行為が発覚後、店は保健所の指導を受けたばかりか、休業にまで追い込まれた。
クレープ調理中に食材をつまみ食い
キャラクレ!は、商業施設「渋谷マルイ」(東京・渋谷区)に展開するクレープ販売店。「キャラクター×クレープ専門店」とうたうように、人気アニメ「おそ松さん」「弱虫ペダル」などとコラボレーションしてきた。
老舗クレープチェーン「マリオンクレープ」のプロデュースを受けてメニュー開発を行い、「専門の技術レッスンを受けた"キャラクレ!パティシエ"による提供を行っている」(公式サイトより)という。
同店が問題視されたのは、客によるツイッターでの「告発」だ。渋谷マルイ店で11月1日夕、注文したクレープを待っていると、調理場の女性従業員が目についた。
「彼女は食材をいくつも食べながらクレープを乗せたり刺したりしていました。はっきり見えたのはクッキーとストロベリーポッキーを確実に食べていました。また明らかに口元に手をやり指を舐めた動作がありました。クレープはその手でそのまま作られました(中略)周りに他のスタッフも数人居たのに誰も何も言っていませんでした」(ツイートより)
コラボ中止、丸井「真摯に対応」
店を運営する「ファイブアイ」(東京都渋谷区)は2019年11月5日、公式サイトで「キャラクレ!渋谷マルイ店において弊社従業員が、ご注文頂いたクレープの調理中に食材を食べ、その後そのまま調理を続けていたことが判明いたしました」と公式サイトで説明し、「お客様に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
丸井も11日、公式ツイッターで「多くのお客様に、ご迷惑とご心配をお掛けいたしました事、改めてお詫び申し上げます。今後につきましては、丸井として真摯に対応して参ります」と続いた。
店側からは17日まで開催予定だったアニメ「イナズマイレブン」、また11月8日から大阪で開始予定だったゲーム「グランブルーファンタジー」とのコラボ中止や延期も発表され、店は当分の間休業するとした。
管轄する渋谷区保健所の生活衛生課は11月12日、取材に対し、消費者からの問い合わせを受けて丸井と店に聞き取りをし、指導をしたと話す。
従業員は責任を負う?
ファイブアイは取材に、アルバイト店員による不適切行為は一度のみだったという。
前述の「告発」については、「該当スタッフから聞き取りをしたところ、ポッキーを食べたのは事実ですが、指も舐めていなければ、食べた後アルコール消毒をしていた。クッキーも食べていない、という証言がありました」と一部否定した。
今回の件は、店側は被害者の面も持つ。ブランドイメージの毀損に加え、協業先が多いだけに損害賠償を求められる恐れもある(丸井グループ広報室は、ファイブアイへの責任追及について「現時点では考えておりません」と回答)。
ファイブアイに、アルバイト店員に法的措置などを検討しているか問うと、「回答を控えさせて頂きます」との返事だった。