プロ野球の契約更改がセ・パ両リーグで始まった。各球団それぞれ若手選手が順次、来シーズンへ向けて契約更改を行っている。例年、主力選手の契約更改は年末になることが多く、国際大会「プレミア12」が開催中とあって、日本代表クラスは今2019年も12月の契約更改となりそうだ。
今オフの契約更改が注目されるのは、「プレミア12」に参戦中のヤクルト山田哲人内野手(27)と巨人・小林誠司捕手(30)だ。2人とも順調にいけば来シーズン中に国内フリーエージェント(FA)権の取得が見込まれる。ヤクルト、巨人ともに来オフのFA流出阻止に向けて「年俸アップ+複数年契約」を提示するとみられ、山田、小林の動向に注目が集まる。
FA権行使ならばG丸以上の大型契約も
山田は今シーズン142試合に出場し打率.271、35本塁打98打点33盗塁をマーク。昨年に続いてのトリプルスリーこそ達成出来なかったが、昨シーズンから続いていた連続盗塁の成功記録を「38」にまで伸ばすなど存在感を見せた。チームがリーグ最下位と沈むなか、クリーンナップを担い、シーズン中盤にはリードオフマンとして打線を支えた。
昨シーズン史上初となる3度目のトリプルスリーを達成し、昨年の契約更改では1億5000万円アップの年俸4億3000万円(金額は推定)プラス出来高の単年契約でサイン。今年も年俸アップが見込まれるが、注目されるのが契約年数だ。チームの看板選手の流出を防ぐためにも球団は、将来的な海外FA権取得を見込んでの複数年契約を提示するとみられるが、山田が単年を選択する可能性は十分にある。
昨年の契約更改の会見では、報道陣からMLB挑戦を問われるなど、「走・攻・守」が揃う球界最高峰選手の去就は注目されていた。MLB挑戦に関して「シークレットです」とはぐらかしたものの、関係者によると契約更改の場では「メジャー」に関しての話題は一切なかったという。2020年東京五輪出場を見据える山田のMLB挑戦の可能性は低いとみられるなか、現実的なのがFA移籍だ。FA権を行使すれば複数球団による争奪戦は必至で、昨年巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(30)を超える大型契約となりそうだ。