「試合に出られないから、オレは意味がない...」ではなく
廣瀬氏は続けた。
「もちろん皆さん、『試合に出たい』と思うでしょ。ラグビーに限らず、どんなスポーツでもセレクションは起こる。でも、試合には出られなくても『自分自身は成長している』、『誰かに影響を与えている』...っていうことを考えた方が、健康的。もしくは将来、自分が成し遂げたいことにつながる。そこが大事なポイントかな...って思います」
さらに、
「皆が1.01%を頑張るのと、0.99%の力でやるのとを毎日、掛け算したら、どうでしょう? 大きな違いが出てくることは明らかでしょ」
ドラマ「ノーサイド・ゲーム」では、廣瀬氏が演じた浜畑譲が、現役を引退し、次期GM(ゼネラルマネジャー)に就任するところで幕を閉じた。実物と役が、重なって見えた。
また印象的だったのが「まず1人で考えてみよう」。次に「隣の人と意見交換しよう」という、廣瀬氏独自のメソッドだった。
最後に廣瀬氏は、
「意見交換ができない...という環境は、よくない。『こういうことを言ったら、周囲に嫌われる』とか、そういう風潮をチーム内に蔓延させてはダメ。今回のジャパン(日本代表)が成長できたのは、皆でそういう議論ができたからこそ。1人で考えて相談する。2人の意見がまとまったら、4人で...。そうやってチームは強くなっていく」
選手たちは必死にメモを取っていた。