麻生財務相「ほとんどこれを使ったというメリットがない」
マイナンバーカードの交付枚数(19年9月16日時点)は約1783万枚で、全人口の14%ほど。半年前より100万枚以上増えたが、まだまだ十分とは言えない。政府は9月時点で、20年7月末までに3000~4000万、20年度末に6000~7000万枚交付し、22年度末には「ほとんどの住民がカードを保有する」と想定している。
マイナンバーの利用については、菅義偉官房長官が議長を務め、主要閣僚らが出席する「デジタル・ガバメント閣僚会議」で議論が続けられている。その第5回会合(9月3日)で麻生太郎財務相は、かつて発行されていた「住民基本台帳カード」を引き合いに出しつつ、こう疑問を呈した。
「ちなみに、持っている人、ここに何人いる。マイナンバーカード。その後ろのお役人さんで持っている人は。では、聞くけれども、これを何回使ったか。使った人が何に使ったかを聞いてみたい。利用している人を知っているのだけれども、これは免許証を返納してしまった高齢者が身分証明書のかわりに使っている以外に、ほとんどこれを使ったというメリットがない。メリットを出さなきゃ」(首相官邸サイトの議事録より)
先述の交付枚数(9月時点)を世代別で見ると、75~79歳をトップ(人口の24.9%)に、70~74歳(23.7%)、80~84歳(22.8%)と続く。しかし20代から40代にかけては、10~12%台程度にとどまり、普及率に大きな差が出ている。