浜崎あゆみが「20年前のアルバム」再発売 その心情を「1999年のインタビュー」から読む

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   歌手の浜崎あゆみさん(41)が、1999年11月10日に発売した2ndアルバム「LOVEppears(ラヴピアーズ)」のアニヴァーサリー・エディション「LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-」を、2019年11月10日に発売した。「LOVEppears」の発売20周年を記念して20年前と同日にアニヴァーサリー・エディションを発売するということで、浜崎さんのファンを中心に話題を集めている。

   1999年は浜崎さんにとってデビュー1年後。この年、浜崎さんはシングルを7枚出すなどハイペースのリリースを行っていたほか、大晦日には「NHK紅白歌合戦」に初出場するなど、大躍進の1年だった。そんな激動の中、11月10日に発売された「LOVEppears」だったが、その当日、浜崎さんは朝日新聞のインタビュー記事に登場していたのだ。

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「自分の中にしまっておくだけだった感情を、だんだんと外に出せるようになった」

   1999年の11月10日は水曜日。CDの一般的な発売日として知られる毎週水曜日だが、この日の朝日新聞の夕刊の11面(芸能面)には「浜崎あゆみに熱い視線-SF的なイメージ先行-」との見出しで、浜崎さんのインタビュー記事が掲載されていた。「浜崎あゆみ、今年、大ブレークした女性歌手といえば、宇多田ヒカルと並び、彼女の名前があがるだろう」との書き出しで始まる同記事では、浜崎さんが「LOVEppears」をリリースする上での思いがつづられている。

   浜崎さんは同年1月1日に1stアルバム「A song for ××」を発売していたが、浜崎さんは記事の中で、「A song for ××」と「LOVEppears」の違いについて、

「静かに泣き、静かに喜ぶ。自分の中にしまっておくだけだった感情を、だんだんと外に出せるようになった」

と説明。これを受け、記事の地の文では「直接的な心の移ろいから、抽象的なイメージが増えてきた」との分析が行われている。さらに、浜崎さんの楽曲は本人が作詞することで知られるが、作詞をする上での心構えとして浜崎さんは、

「自分を誤解されるのが怖かったから、なるべく人にわかりやすい言葉を選ぶようにしていたんです」

と語っている。

なぜ今、浜崎さんはアニヴァーサリー・エディションを発売するのか?

   そんな思いが詰まった「LOVEppears」だが、発売日となった11月10日は大みそかまで2カ月弱。1999年が押し迫ってきた時期だ。2019年8月1日に発売された浜崎さんの自伝とも言える小説「M 愛すべき人がいて」(幻冬舎・小松成美著)では、「秋が深まっても、マサは部屋に戻ってこなかった」という、浜崎さんと松浦勝人・エイベックス会長(当時は専務)が別れに至ったことを暗示する一節があるが、この記述が正しいとするなら、「LOVEppears」は正しく、浜崎さんと松浦会長が別れに至った頃に発売されたということになる。

   同一節が掲載されているページの少し前には「LOVEppears」に収録されている「appears」の歌詞が掲載されているが、同曲が浜崎さんと松浦会長の関係が予断を許さない状況になり始めていることを歌ったものだとファンの間で解釈されていることを考えると、時期的に見て、浜崎さんが歌詞に書いた思いそのものを抱きながら「LOVEppears」のレコーディングを行っていたことになる。

   翻って、浜崎さんの朝日新聞のインタビューを再度見てみると、「静かに泣き、――」の部分があることに気付く。「appears」をはじめとする楽曲が収録された「LOVEppears」が、浜崎さんの率直な感情を表わしているとするなら、同アルバムはまさに浜崎さんの人生そのものがリアルタイムで描かれており、かつ同時進行で発売された作品ということになるだろう。その作品を20年後の同日に発売するということは、浜崎さんが当時抱いていた思いを今も忘れずにいることを世の中に示そうとしているのではないだろうか。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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