インフルエンザが流行するこれからの季節。ワクチン接種など対策には万全を期したいが、手軽な「予防法」として「紅茶」がプッシュされている。
飲料メーカーなどによる業界団体「日本紅茶協会」(東京都港区)も「紅茶がインフルエンザウイルスの感染力を奪うことを知っていますか?」と喧伝する。本当だろうか――。
「『マスク・手洗い・紅茶』を毎日の習慣に」
ネット上で「インフルエンザ 予防」と検索すると、一般的な「手洗い」「うがい」「ワクチン接種」とともに「紅茶」を取り上げた記事やページが多くヒットする。
紅茶の有効性を紹介するメディアも少なくない。食品産業新聞の記事「紅茶市場が復調 "抗インフルエンザ活性"報道で特需、"タピオカミルクティー"も追い風に」(2019年10月27日付ウェブ版)では、「昨年の秋以降、紅茶の健康価値が注目され、市場のすそ野が拡大。特に、紅茶ポリフェノールの抗インフルエンザ活性が多くのメディアに取り上げられ、年末年始の流行シーズンにはティーバッグを中心に"特需"が起きた」と伝えている。
日本紅茶協会も19年10月22日、ツイッターで「紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスの感染性を失わせることが分かりました」「『マスク・手洗い・紅茶』を毎日の習慣に」と投稿。添えられた画像には、家族がカップを手に持つイラストとともに、
「紅茶がインフルエンザウイルスの感染力を奪うことを知っていますか?」
「紅茶は、飲用濃度でインフルエンザウイルスの感染力を99.9%無力化することが確認されました」
などと書かれている。医学博士で獣医師の人物が監修した、培養細胞を使った実験結果が根拠だという。