世界8位、9位だが...このままでは生き残れない?
2018年の世界販売台数では、FCAは484万台で8位、PSAは387万台で9位。とはいえ、上位3グループはいずれも1000万台を超えている。下位のままでは投じる研究開発費にも限界があり、こうした競争環境の中で生き残るには規模が必要だとして、FCAは再編を積極的に模索してきた。ルノーとの経営統合案が浮上する前にも、FCAとPSAの統合に向けた交渉が米メディアに報じられたこともあった。北米が主要マーケットのFCAと、販売のほとんどを欧州が占めるPSAが組めば、地域的な補完ができるメリットもある。
一方、FCAから経営統合を取り下げられたルノーは、破談になった後もFCAに秋波を送っていたが叶わなかった。ルノーでは2019年10月にボロレ最高経営責任者(CEO)が突然解任されており、内向きの問題にエネルギーを割いている間にFCAに逃げられた格好だ。ルノーは今後、連合を組む日産に対して経営統合を求めて圧力を強めるという観測もある。
その日産も2018年11月のカルロス・ゴーン会長の逮捕以降、経営を巡ってごたごたが続いており、2019年9月には役員報酬を巡るスキャンダルで西川広人社長が辞任に追い込まれた。安定的な経営体制がなければ、変革期の生き残りはおぼつかない。