東京・秋葉原にある女性職人専門の寿司店「なでしこ寿司」の旧ツイッターアカウントについて、食品メーカーサイトや飲食店ブログなどと同じ写真が多数載っていたとして、許可を受けて転載したのかとネット上で指摘が出ている。
一部メーカーは、「許可していない」としており、寿司店側は、「前の運営会社がアカウントを管理していたが、それを放置していた責任はある」と謝罪した。
露出ぶりに賛否が出るなど、注目されたのがきっかけか
「お酒のおつまみに最高ですよぉ~」。2015年まで更新されていた旧ツイッター「なでし子」では、味噌などで和えたアジのたたき「なめろう」の画像を同年2月27日に載せて、こう紹介した。画像には、右下に「なでしこ寿司」のロゴまで入っていた。
ところが、2019年11月6日ごろから、サッポロビールのサイトにある画像と同じものだとの指摘がツイッター上で出るなど、無断転載の疑いがあるケースの指摘が相次いだ。浴衣姿の職人が握る寿司が内外メディアに取り上げられ、その露出ぶりに賛否が出るなど注目されたのがきっかけらしい。
節分に合わせて寿司店が販売した「なでしこ恵方巻き」のツイッター画像は、寿司用素材を紹介した永谷園のサイトにあるものと同じだと比較された。食品メーカーのほか、飲食店のブログなどの画像と同じものも次々に見つかっている。
寿司などの画像については、もし転載なら客を裏切るものではないかとの疑問の声が上がった。また、千葉・館山産として、別の寿司店のブログ画像と同じものもツイッターにあったため、産地を偽ることになるのではとの意見も出ていた。
旧ツイッターはネットで炎上状態になり、7日ごろにアカウントが削除された。
食品メーカーなどでは、もしオリジナル画像だとしたら、寿司店側に画像の転載を許可していたのだろうか。
サッポロビール「使用を許可したものではない」
なめろうの画像について、サッポロホールディングスの広報室は11月8日、業務委託先で撮影したオリジナル画像だとして、「寿司店に使用を許可したものではありません」とJ-CASTニュースの取材に答えた。ただ、旧ツイッターが削除されていることから、寿司店への抗議などは考えていないとしている。
また、永谷園の広報室は8日、自社で撮影した画像だとしたが、寿司店から使用許可の依頼があったかの事実関係は確認中だと取材に明かした。
なでしこ寿司の千津井由貴店長は8日、旧ツイッターは、前の運営会社が管理しており、自らは関わっていないと取材に説明した。千津井店長は、このときは社員として店で寿司を握っていたが、「業務をこなすのに手いっぱいで、画像のことはまったく気が付きませんでした」という。
2015年に運営会社が変わった後は、食品メーカーなどの許可を得ずに画像を店のツイッターなどに転載したことはないとしている。
ただ、千津井店長は、「前の運営会社によるアカウントを放置していた責任はあります。申し訳ないことをしてしまった」と謝罪した。前の運営会社からは、旧ツイッターを削除する連絡はあったというが、無断転載の有無や削除の理由については、まだ確認が取れていないとした。今回の状況について、早ければ8日中にも寿司店サイト上で説明したいとしている。
前の運営会社に取材しようとしたが、留守電になっており、8日中には話が聞けなかった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)