10月に暴排条例改正
「もう毎日、頻繁に起こっており、よくある話ですよ。店が客引きと契約しているわけではなく、暴力団絡みの客引きのグループが店から広告料のような名目でお金をもらって、客引きを集めているんですね。歌舞伎町には、3つのグループがあり、全部で延べ数十人の客引きを雇っています。客引きをしている店は、20軒余りですが、すべてぼったくり店ですね。被害に遭っているのは、歌舞伎町の他の店3000軒ほどみんなですよ」
捕まえたら、著名大学だったということは、結構あるそうだ。振興組合の事務局長は、その理由として、次のような事情を話した。
「SNSなどのネット上やねずみ講式の紹介による口コミで、儲かるとうたって客引きを集めます。客引きになった人は、稼ぎが多いので止められないんですね。多い人では、月収で100万円は超えます。客引きは、十数軒のチラシを持っており、儲けを考えて、キックバックの少ない店から、割のいい店に客を連れて行くことすらあります。システムができ上がっているんですよ」
警察が動いた背景には、みかじめ料を支払った店に罰則を科す東京都の暴力団排除条例が10月から改正・施行され、客引きによる巧妙な手口が使われるようになったことが背景にあると事務局長はみる。
「キャッチと呼ばれる客引きが減らないので、ここ1、2か月、新宿署が学生たちにキャッチのアルバイトをしないよう大学に要請していると聞いています。客引きは、振り込め詐欺などの特殊詐欺の入口になっており、暴力団などができる人を引っ張るわけです。ですから、深みにはまって、人生が終わる人もいるでしょうね」