厚生労働省主催のエイズ予防啓発イベント「レッドリボンライブ2019」(11月28日開催)に、ドラマ「全裸監督」で話題となったアダルトビデオ監督・村西とおる氏が出演することをめぐり、ネットで波紋が広がっている。
村西氏ははたして適任なのか。J-CASTニュースでは、当の村西氏本人に話を聞いた。
厚労省「20代~50代まで幅広く発信力がある」
2019年は、村西氏の半生を描いたネットフリックスによるオリジナルのドラマ作品「全裸監督」が注目を集めた。見事な演技で村西氏本人になり切った俳優・山田孝之さんの演技なども話題を呼んだ。
再び時の人となった格好の村西氏だが、アダルトビデオ監督として一世を風靡するとともに、奔放な言動でも知られている。
ツイッター上で厚労省のアカウントが啓発イベントに、そんな村西氏が出演する旨を11月1日に告知したことで、ネット上では、氏の過去の女性に対する発言などを取り上げ、イベント出演をめぐって疑問や批判の声が上がっていた。
厚労省結核感染症課エイズ対策推進室の担当者は6日、J-CASTニュースの電話取材に対し、村西氏の人選などを次のように語った。
同イベントは、12月1日の「世界エイズデー」に合わせ、毎年11月末ごろ、エイズに関する正しい知識を持ってもらおうと開催。ライブやトークでエイズ予防啓発に取り組んでいる。
イベントのトークの部では、医師とゲストがエイズに関する正しい知識について対談。ゲストの人選について、厚労省の担当者は取材に対し、「エイズに対してある程度知識のある方で、影響力のある方」と説明する。
村西氏を選んだ理由について、担当者は、「もともとアダルトビデオの監督時代が1980年代で、現在の40代~50代への方の発信力が高いと考えられています。最近、話題になった『全裸監督』で、20代~30代への発信力も大きいと考えられる。20代~50代まで幅広く発信力があるかなと思います」と語った。
ツイッター上で寄せられている村西さんのイベント出演をめぐる批判的な意見に対し、担当者は、「例えば、女性軽視などの思想とかの発言はだいぶ昔の話で、最近の発言を検索しているところではなさそうです。起用するにあたって特に大きな問題はない」との見解を示した。「HIV・エイズ予防の重要性にはおそらく監督時代から認識されている。性を題材とする業界の第一人者からの視点としてのコメントをこちらとしては期待しております。正しい知識の普及啓発に努めていただければ」。