「血液クレンジング」について国会で質問 厚労省が回答した内容

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   静脈から血液を抜いてオゾンや酸素を混ぜて体内に戻す、いわゆる「血液クレンジング」をめぐる問題が、2019年11月6日の衆院厚生労働委員会で取り上げられた。血液クレンジングは、市川海老蔵さん(41)や仲里依紗さん(30)ら多数の芸能人が自身の体験をSNSで言及していたが、一方でその効果を疑問視する声が相次いでいた。

   厚労省側は、その効果やリスクについて「現時点では確認できていない」とした上で、関係学会と連携しながら情報収集を進めたい考えだ。

  • 血液クレンジングの問題について質問する尾辻かな子衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)
    血液クレンジングの問題について質問する尾辻かな子衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)
  • 血液クレンジングの問題について質問する尾辻かな子衆院議員(写真は衆院インターネット中継から)

「関係学会等と連携しながら情報収集を行っている」

   この問題を取り上げたのは、立憲民主党の尾辻かな子衆院議員。血液クレンジングの効果について、

「本来効果があるものであれば、保険診療、標準治療になると思うが、この療法というのは、なぜ保険外診療、自由診療なのか。この療法に効果があるのか。厚労省でエビデンスなど持っているのか」

などとする質問に対して、吉田学・医政局長は

「自由診療として行われているもので、一定の医療機関に広がっていると言われているが、その効果およびリスクについて、厚生労働省として現時点では確認できていない。今、関係学会等と連携しながら情報収集を行っているところだ」

などと答弁。これに対して尾辻氏は、厚労省がリスクについて把握していない現状を疑問視した。

「これはやはり、把握をしていただかないといけないと思う。特に、芸能人の人がやることで、若い人たちにも広がっていると思う。何よりも患者さんと医師では、持っている情報量が全然違うわけだから、健康になりたいとか、病気を治したいと思う患者さんの気持ちを逆に利用しているのではないかと言わざるを得ない。まず、どれくらい広がっているのかとか、何人ぐらい受けているのかとか『学会と連携して』というが、厚労省としても把握していく必要があると思う」

「これは誇大広告にはあたらないのか」

   米国では、2016年からオゾンの医療用利用を食品医薬品局(FDA)が禁じている。オゾンが日本国内で医療用に承認されているかを問う質問に、樽見英樹・医薬・生活衛生局長は、「そうしたものはない」と答弁した。

   尾辻氏は広告の問題にも言及。血液クレンジングを行っている、ある病院のウェブサイトでは、「治療効果の期待できる疾患」として「ガン、悪性腫瘍、白血病」などとうたっていることについて「これは誇大広告にはあたらないのか」と指摘。厚労省の吉田氏は、

「例えば標準治療があるにもかかわらず、がんに対する療法と称して、その治療法が唯一であるかのように示す広告は、患者の適切な治療機会を奪うような広告になると考えられるので、ネットパトロールなど必要な手続きを踏んだ上で、自治体と連携し、行政指導等の必要があれば対応を行ってまいりたい」

と答弁した。これを受ける形で、加藤勝信厚労相も

「既存のネットパトロール等の事業を行っていく中で、自治体における規制が的確に行われ、また関係学会とも連携しながら、情報や認識の共有を図りながら、今の医療広告規制の実効性を図る中で、患者の皆さんが正しい情報に基づいて選択し、かつ安全に事が実行できる担保を図っていきたい」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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