ラグビーW杯優勝、南アフリカの強さの原点を築いた「1人の男」

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栄光の「背番号6番」

   あるラグビー関係者から聞いた話だが「南アは『黒人が輝ける場所=ラグビー』だと思って戦っている。『スプリングボクス』に入って、勝ち進むことで、海外のプロリーグへの誘いが来るかもしれない。そうすれば、自分や家族の生活も豊かになる」。皮肉な話だが、貧困から脱却することを、ラグビーにおいて体現するからこそ強いのだ。

   ピナール氏は現役時代、「背番号6」のFLだった。1995年の優勝時には、マンデラ大統領が同じく「6番」のジャージを着て、表彰式で「エリス杯」を手渡した。そして今回、南ア・ラグビーの歴史の中で黒人初の主将となったコリシ選手も「6番」である。

   今大会、日本代表も「ONE TEAM」というスローガンを掲げ、初の8強まで勝ち残った。ラグビーの場合、そのレギュレーションから、肌の色が違ったり、国籍の違う選手が1つのチームになることも多い。

   日本は島国で、「単一民族国家」のため「あれが日本代表なのか?」という声も、しばしば聞かれる。しかし、スポーツにおいて、そんなことは問題ではない。マンデラ大統領の意志を受け継いだピナール氏の「人種なんて、関係ない」というところから、南アは世界一の「団結力」を得たのだ。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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