リクナビ「内定辞退率予測」が問題になった理由
朝日インタビューでは、リクルートキャリアの就職情報サイト「リクナビ」での内定辞退率予測問題についても触れている。今年8月、リクナビ上での行動履歴をもとに、就職活動している学生の「内定辞退率」をAI(人工知能)で予測し、約40社へ販売していたことが問題視された。これも「優越的~」になるかと聞かれ、杉本氏は現時点で個別の事案には答えられないとしつつも、こう語っている。
「一般論として、利用者の同意を得ずに収集したデータを利用することは利用者に不利益を与える恐れがあると考えている。そのうえで、利用者に対し具体的に優越している事業者の行為が競争上、悪影響を与えていることに該当すれば独禁法に反する疑いがある」
発覚から3か月、辞退率予測サービスを廃止してもなお、この問題は尾を引いている。リクナビでは、登録時に利用者に同意を求めるプライバシーポリシー(個人情報保護方針)にデータ利用に関しても盛り込んでいたが、他社への提供については説明が不十分だった。また、大学生が就職情報サイトを使わずに就活するのが難しい現状もあり、大手のリクナビは利用者に対して「優越的地位」にあるとみる論調もある。