民主党議員も「大統領職は敬意を払われるべきだ」
アストロズのファンで、テキサス州ヒュートンに住む男性(50代)は、「あんなにブーイングし続けるなんて、失礼極まりない。もともとあの辺りに住む連中は礼儀知らずだ。支持者の多い町で観戦すれば、反応は全く違ったはずさ」と話す。
共和党寄りのFOXニュースはワシントンでの試合の翌朝、トランプ氏の様子を流したものの、CNNなど民主党寄りのネット局の報道と違い、動画から観客のブーイングは聞こえず、「さまざまな反応があった」と伝えるにとどまった。
これに対して、「事実を伝えないFOXは、フェイクニュースだ」という声がある一方で、「野球とは関係のないこと。伝える必要はない」とする声もあがっている。
その後のFOXニュースの番組で、共和党の世論調査専門家フランク・ランツ氏は、「気に入らないからといってブーイングするとは。大統領には敬意を払うべきだ。ブーイングした人たちは、責任を取らなければならない」と批判した。
ブーイングに首を傾げるのは、共和党支持者だけではない。クリス・クーンズ民主党上院議員(デラウェア州選出)は、「世界中で放映されるスポーツイベントで、我々の大統領に向かって『刑務所に入れろ』と大合唱するのは、受け入れがたい。大統領職は敬意を払われるべきだと正直、思う」と民主党寄りのCNNの番組で語った。
同じく民主党寄りのMSNBCテレビの報道番組「モーニング・ジョー」の司会者ジョー・スカボロー氏も、同様の発言をしている。
これに対し、ブーイングを支持する人たちからは、「Respect is earned.(敬意は得るもの)。トランプ氏はそれに値しない」という声が共通に聞かれる。
日頃から激しくトランプ氏を批判しているニューヨーク在住のジェフ(30代)は、「大統領職には敬意を払うけれど、その職を汚し、世界中の笑いの的におとしめたのはトランプだ。そんな人間に敬意なんて払えるわけがない」と憤る。
ジェフはトランプの様子をテレビで見て、痛快だったという。「ブーイングされていると気づいて、表情が変わっていった。いつも支持者に囲まれて有頂天になっているトランプが、アメリカの現実に直面したってことさ。ワールドシリーズはトランプ支持者の大会じゃないんだから、ブーイングは当然の行為だ」。