小池知事、札幌開催に「注文」 五輪マラソン決定で「1つ、加えたいポイントが...」

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「北半球の都市どこでも過酷な状況になると言わざるを得ない」

   小池氏は時には鋭い眼差しで、時には椅子にどっしりと深く腰掛けながら、コーツ氏の発言を聞いていた。「スピーチしてもいいの?」と冗談めかして笑いを誘う場面もあったが、次の瞬間には笑みが消え、東京開催への「未練」があることを漂わせた。コーツ氏も、組織委、東京都、政府の3者から「都に大きな影響を与えたのでまず都知事から発言をお願いしたい。驚きや落胆を表明してほしい」と冷や水を浴びる覚悟からあることを示しながら、発言を促した。

   会場変更の決め手のひとつとなったのが「アスリートファースト」の考え。選手の健康面を考慮し、真夏の東京より札幌のほうが安全ということだ。

   組織委の森喜朗会長、政府の橋本聖子五輪担当相ら、4者それぞれが順に発言を終えると、小池氏は「1つ、加えたいポイントがある」とIOCに注文した。

「暑さの問題があるという話だった。世界銀行も、気候変動による自然災害や温暖化は予測をかなり前倒しでウォーニングしている。それを考えると、五輪開催の前提条件が7~8月の実施だと、北半球の都市どこでも過酷な状況になると言わざるを得ない。この点、我々自身が直面しないといけないのではないか。IOCとIPC(国際パラリンピック委員会)は『アスリートファースト』というならその観点もよく考える必要がある」

   これにコーツ氏は、五輪憲章を変更したとし、「将来の開催都市も、ひとつの都市だけでなく、フレキシブルにできる。普遍的な大会に、と知事が言うのはその通りだ」と応じた。

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