「ラグビーW杯2019日本大会」は2019年11月1日、3位決定戦(東京スタジアム)を行う。ニュージーランド(世界ランク3位)―ウェールズ(同4位)の一戦だ。
そんな中、先発予定のニュージーランド代表ソニー・ビル・ウィリアムズ選手(CTB=センター・スリークォーター・バックス)の「2015イングランド大会」における動画が、ネット上で注目を浴びている。
試合後の表彰式へ「乱入」してきた少年に...
ニュージーランド代表は「オールブラックス」の愛称でも親しまれている、押しも押されもしない強豪チームである。「2015イングランド大会」では、決勝でオーストラリア代表を34-17で破り、見事に3度目の優勝(最多)を成し遂げた。その中でも中心として活躍したのが、ウィリアムズ選手だった。
優勝国のみが掲げられる「エリス杯」、そして個人に授与される金メダルを受け取った。しかし...。その後に、ハプニングが起こった。
スタンドで観戦していた、おそらく10歳ぐらいの男の子が、興奮のあまりかピッチ内に乱入。警備員の制止を振り切り、スターであるウィリアムズ選手に駆け寄った。
周囲の歓声もあり、何を話したのかは映像でも確認できない。警備員も少年をスタンドに返そうとしたが、ウィリアムズ選手は優しく少年の肩に手を回した。そして...。何と、首から掛けていた金メダルを少年にプレゼントしてしまったのだ。
ウィリアムズ選手は191センチ、110キロというFW並みの体格を持つ。その上、抜群のランニングスキルやオフロードパス、激しいタックル...などを併せ持つ「世界最高峰の選手」と言っても過言ではない。
そんなウィリアムズ選手から金メダルをプレゼントされた少年は、狂喜乱舞し、金メダルにキスをしまくった。この様子は、世界中のメディアで報じられた。
「えっ、本物の金だったの?」...自己犠牲の精神
ラグビーを、ひと言で例えるとするならば「自己犠牲のスポーツ」だ、とよく評される。味方のために体を張ってタックルし、逆にタックルされながらも必死でボールをつなぐ。トライが取れたのは、仲間がいたからこそ...。今大会、日本代表が掲げたスローガン「ONE TEAM」は、正にそれを体現した。
日本の司令塔・田村優選手は、2019年10月29日、母校の国学院栃木高(栃木)に凱旋した。その際、母校へ寄贈したのは、8強入りをかけて南アと対戦した時に着用したジャージだった。「(モノへの)執着? そんな、ないです」。サラリと言ってのけた。それよりも大切な「絆」こそが、彼の誇りなのだろう。
ウィリアムズ選手にしても同じだったのではないか。しかし、メダルが純度の高い金でできていたことを後に聞かされ、「えっ、マジで? 本物だったの? 早く言ってよ~」という主旨の発言をしたと、一部メディアで報じられている。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)