首里城、「再建」急務に 92年の復元後も続いていた「研究」と「人材育成」

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屋根瓦の色にも新たな知見が

   首里城公園の復元整備は、「1712~戦前までの首里城」をモデルにしているが、1992年の正殿復元後も「かつての姿」に関する研究は進んでいる。2018年11月には、2年3か月をかけた正殿外部の漆の塗りなおしが完了。開園以来、部分的な塗りなおしは行われてきたが、全方位を同時期に塗り直したのは初めてのことだ。公園事務所の発表資料では、

「開園当時より研究が進み、より琉球王国時代に近い工程と技法によって塗り直しの作業が行われました。塗り直し等のメンテナンス作業はこの先も定期的に行い、伝統的な技術を後世に残すため、職人の人材育成も進めています」

と説明している。

   べんがら色(朱色)で復元されていた正殿の屋根瓦の行方も注目だ。沖縄戦で焼失した正殿を復元しようとした際は白黒写真しか残っておらず、色を決めるのに難航。焼失前を知る人にヒヤリングしたが、「黒」「灰色」「赤」など諸説が飛び出したという経緯がある。

   それから20年以上経った2014年の「新発見」が、再建に影響する可能性もある。消失直前のカラー画像の存在だ。太平洋戦争の資料収集に取り組む市民グループ「豊の国宇佐市塾」(大分県宇佐市)が、米国の国立公文書館から購入・分析を進めていたフィルムの中に写っていたのだ。1945年4月下旬~5月上旬ごろ、日本軍の拠点を攻撃する米軍の爆撃機から撮影されたとみられ、本殿の屋根瓦は黒く映っている。こういった新たな知見をどのように反映させるかも議論になりそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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