利子どころか...「手数料」払ってお金預ける時代に? 銀行苦境で導入議論

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   銀行に手数料を払ってお金を預ける時代が来る――。日銀のマイナス金利によって収支が悪化した銀行が「口座維持・管理手数料」(以下、口座維持手数料)を徴収するとの観測が浮上している。

   預金者の強い反発は必至だが、日銀の追加緩和でさらに銀行の経営が苦しくなれば、絵空事とは言えなくなる可能性もありそうだ。

  • 口座を持つだけでお金がかかる?(イメージ)
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地銀の4割が本業で赤字

   銀行はすでに送金などの手数料を相次いで引き上げている。背景にあるのが日銀のマイナス金利政策による銀行収益の悪化だ。短期の政策金利が現在のマイナス0.1%から同0.3%に引き下げられた場合、銀行全体で年間約5000億円の最終利益が減るとの試算もある。特に地銀の経営は厳しく、金融庁によると2018年度は105行の約4割が本業で赤字だった。

   今後、状況はさらに悪化する懸念が強い。大規模緩和にもかかわらず、日銀が掲げる物価上昇率2%の目標達成は遠く、むしろ米欧を含め世界的に金利引き下げの流れが強まっているさらなる緩和は日銀自身の表現で「マイナス金利の深掘り」ということになる。

   マイナス金利とは、銀行には、融資先への貸し出し金利が上げられない一方、余った資金を日銀に預ける際にマイナス金利、つまりお金を払って預金するということで、その「深掘り」とは、日銀への払いが増えるということになり、一段と収益が圧迫されるのは必至。そうした「副作用」があるとわかっていても、日銀としては米欧の一段の利下げなど海外情勢によって、円高進行を阻むため「深掘り」せざるをえない状況に遠からず追い込まれる可能性は低くない。

   そこで、さらに収益が圧迫される銀行が、ついに口座維持手数料という「禁断の果実」に手を出さなければならなくなるとの見方が広がっているわけだ。

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