悲願だった「W杯初の8強入り」を成し遂げたラグビー日本代表の司令塔・田村優選手が2019年10月29日、母校である国学院栃木高(栃木市)に凱旋した。
迎えた生徒は1385人。田村選手がホールに登場すると、女子高生たちの「キャー! ヤバい...超、カッコいい!!」という黄色い声援で、学校は興奮の渦となった。
「もっと好きになってください。頑張ります」
愛知県出身の田村選手は、中学時代までサッカーをやっていた。しかし父である誠さんと同校ラグビー部の吉岡肇監督が、国学院久我山(東京)ラグビー部同期だった縁もあり、吉岡監督が教鞭を執る同校へ入学。ラグビー部に入った。
田村選手は当時を振り返り、
「(高校は)世界で戦うベースを作れた大切な場所でしたね」
と語った。
生徒からも、多くの質問が寄せられた。そんな中で、ある女子高生が、
「質問じゃないんですけど、ここで言わないと後悔すると思って...。言わせてください。ずっと前から好きでした!」
突然の「告白」に、世界を舞台に戦った田村選手もタジタジ...。照れ笑いを浮かべながら、隣に座っていた吉岡監督に
「大丈夫ですか? これ(答えて)...?」
と確認しつつ、
「もっと好きになってください。頑張ります」
と答えると、女子高生たちは、再び「キャー!」。大興奮となった。
「南ア戦着用ジャージ」を寄贈
学校から特別表彰を受けた田村選手は、その御礼として、10月20日に行われた南アフリカ戦(東京スタジアム)で着用したジャージを贈った。学校関係者からは「そんな大切なジャージ、大丈夫なの?」という声もあったが、田村選手は、
「(東京の家から)出るときに、何か持っていこうと思って、たまたま手に取ったのが南ア戦のジャージだった。(モノに対する)執着は、あんまりないんで。(W杯初の8強に進出して)いい報告ができたので、できるだけ早く来たかった。よかったです」
ジャージは同校に展示されるという。
10月13日に行われた予選プール最後のスコットランド戦(横浜国際総合競技場)前には、台風19号が東日本を直撃。栃木市内も甚大な被害を受け、国学院栃木高の近くにある栃木工業高は、校舎1階の天井近くまで浸水したという。タクシー運転手によると「工業高校だから、いろんな機械とかがあるでしょ。それが、もう全滅状態みたい」という。
田村選手も各報道で被災者へお見舞いの言葉を述べており、
「今度来た時には、ボランティアとか、何でもやりたいです」
周囲への心配りも忘れなかった。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)