5000円台から8000円近くまで戻す
それが一転して、結果を再分析したところ、症状悪化を遅らせる効果が認められたため米国で承認申請を目指すというのだから、株式市場には「ポジティブ・サプライズ」(SMBC日興証券)だった。野村証券は投資判断を3段階の真ん中の「Neutral」から最上位の「Buy」に格上げし、目標株価を5500円から15000円に引き上げた。大和証券は投資判断を5段階で最下位の「5」から「4」に格上げし、目標株価を3400円から4500円に引き上げ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3段階の真ん中から最上位に格上げし、目標株価を5000円から10900円に引き上げた。「アデュカヌマブ」と同様の効果を求めて開発を進めている「BAN2401」への期待が復活するとの指摘も聞かれた。
エーザイの株価は3月の治験中止発表前につけた9679円(現在の年初来高値)から9月4日の年初来安値5205円まで下落したが、「承認申請」を追い風に一時は8000円台半ばを記録。その後はやや落としたものの、10月29日時点でも8000円弱をマークしている。
ただ、いったん治験中止と発表していた薬を承認申請する例はあまりない。エーザイ株の今後のさらなる上昇には懐疑的な見方もある。