「細部は詰まっておらず、合意形成へのハードルは高い」
日本政府としては徴用工への賠償問題は「完全かつ最終的に解決された」とする1965年の日韓請求権協定との整合性を持たせる必要がある一方で、韓国政府としては、日本企業に対して元徴用工らへの賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の判決を「尊重する」という立場。共同は「細部は詰まっておらず、合意形成へのハードルは高い」とも指摘した。
ただ、両国政府は報道を否定している。聯合ニュースによると、韓国外務省当局者は「この報道は事実ではない」としたうえで、今回報道された基金の案は「これまで韓国と日本当局間の議論の過程で一度も言及されたことがなかった案」だとした。
菅義偉官房長官も10月29日の会見で、
「そうした報道があったことは承知しているが、そのような事実はない」(午前)
「今ご指摘をいただいているような、その構想について、日韓政府間で検討している事実はない」(午後)
などと繰り返し否定。ただ、李洛淵(イ・ナギョン)首相は10月24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領からの親書を携えて、安倍晋三首相と約20分間にわたって会談している。親書に今回報道された提案が含まれていたかについては、
「親書という性格上、内容は明らかにしないことにしているので、控えたい」
「親書の内容は、その評価を含めて控えたい」
とするにとどめ、ICJ提訴の可能性については
「そういう全体を見る中で、対韓関係は対応していきたい。基本は変わらないということ」
とした。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)