プロ野球のFA戦線が動き出している。
ロッテの鈴木大地内野手(30)が2019年10月28日、国内フリーエージェント(FA)権を行使することを表明。パ・リーグではソフトバンク福田秀平外野手(30)、楽天・美馬学投手(33)に続いて3人目のFA宣言となった。セ・リーグでは10月28日時点でFA権行使を表明した選手はおらず、FA権を行使する選手は昨年に続いて今年もパ・リーグが上回りそうだ。
近年はパからセ球団に選手が流出
すでにFA権の行使を表明している3選手に関しては、複数の球団が獲得へ向けての調査を開始している。FA宣言一番乗りの福田は、中日、ヤクルト、西武、ロッテが興味を示しており、美馬は巨人、ヤクルト、ロッテが調査に乗り出す見込み。鈴木も複数球団の競合が予想され、候補として巨人、中日、楽天が挙がっており、こちらも争奪戦の様相を呈している。
ここ最近のFAの傾向として、セ・リーグよりもパ・リーグの選手が権利を行使するケースが増えている。移籍先はセ・リーグが人気で、昨年はパ・リーグから3人、セ・リーグから1人がFA宣言し、そのうち3人がセ・リーグに移籍し、パ・リーグは西武から楽天に移籍した浅村栄斗内野手(28)のみ。セ・リーグに移籍したうちの2人、丸佳浩外野手(30)と炭谷銀仁朗捕手(32)が巨人に入団した。
この10年間のFA移籍事情をみてみると、2009年から18年までに国内FA権を有する49人の選手が他球団に移籍している。セ・リーグは18人、パ・リーグからは31人が国内FA権を行使して移籍。移籍先の内訳は、セ・リーグに移籍した選手は31人で、パ・リーグは18人だ。より多くの選手がセ・リーグに活躍の場を求めている。