東京メトロ千代田線根津駅に設置されたミニ図書館「根津メトロ文庫」が、撤去されることが決まった。
駅のシンボルとして利用者に親しまれてきただけに、SNS上では惜しむ声が相次いでいる。
「かなしい...高校の思い出...」
根津メトロ文庫は1989年、根津駅に設置された。
車両を模したボックスに駅利用者が本を寄付し、駅員が確認したのち、自由に借りることができる。
東京地下鉄(東京メトロ)の広報担当者は19年10月28日、J-CASTニュースの取材に、設置の経緯を「当時、お客様サービスの観点から飾り付けやイベント等を実施しており、その中の取り組みの一つとして設置しました」と話す。直近の蔵書数は約200冊で、1日5~10人ほどが利用しているという。
しかし19年10月ごろ、駅に「近々撤去する」との張り紙が掲出され、ツイッター上で「かなしい...高校の思い出...」「結構マニアックな本もあり、学生の頃は特に結構お世話になりました」「ファンも多いので、保存のためのクラウドファンディングや寄付が集まりそうですが...」と残念がる声が多数書き込まれた。
「設置当初の役目は終えた」
東京地下鉄の広報は、撤去理由を「老朽化が進み、安全管理が難しくなってきました。時代が変わる中で、ご利用になるお客様も減少しましたので、設置当初の役目は終えたと判断しました」と説明する。現時点で撤去日は未定。
利用者からは、同社の関連公益法人が運営する「地下鉄博物館」に展示してほしいとの声もあるが、撤去後の活用方法は決まっていないという。
惜しむ声については「そういった声を頂けるのは大変ありがたい事で、長い間ご愛顧いただきありがとうございました」と感謝した。