互いに食い違う取材結果
財務省発行の記念硬貨でないとすると、観光地などによくある記念メダルの類だろうか。表面の鳥や青森県をかたどった絵も、やや稚拙な造形は硬貨より記念メダルに近いように思える。全国の観光地向けに広く記念メダル販売機とメダルを製造する茶平工業(大阪市)に、問題のコインの写真を送付して発行したことがあるかを取材したが、
「画像を拝見いたしましたが、これは弊社の製品ではありません。記念硬貨のようなので造幣局以外は製造することはできないのではないでしょうか?貨幣の印があるので造幣局へ問い合わせるのがベストかと思います」
という回答だった。古銭やコインの販売・鑑定を手掛ける「銀座コイン」にやはり写真から鑑定を依頼したが、回答は
「結論から申し上げますと、こちらは貨幣ではありません。私的につくられたメダル的なものであるかと思います。材質等は判断ができません」
というものだった。コイン鑑定業者は「貨幣ではない。メダルでは」と言い、メダルメーカーは「貨幣ではないか」と答える。さらに謎は深まる。