スカイマークが2019年11月29日から、成田-サイパン路線を開設する。スカイマークが国際線の定期路線を開設するのは初めて。
同路線はデルタ航空が長年にわたって運航してきたが、18年5月に撤退。日本からサイパンへの直行便は途絶えていた。スカイマークは19年春から夏にかけてチャーター便を運航し、需要動向を探っていた。路線の開設自体は19年9月に発表されていたが、10月24日に就航日とダイヤが新たに発表された。
国際線の方が成長性が高く、飛行機の稼働時間も延ばせる
スカイマークは10年に国際線進出を発表し、成田-ニューヨーク線などの就航を目指していたが、実現しないまま15年1月に民事再生法を申請し経営破綻。その後就任した投資ファンド出身の佐山展生会長らのもとで業績を急回復させ、20年9月末までの再上場を目指している。
これまでは国内線の運航に専念してきたが、羽田-福岡線より福岡-上海線の方が距離が短いなど「国際線をやらないのはおかしい」ことや、国際線の方が成長性が高い上、飛行機の稼働時間を延ばせることなどから国際線の参入を決めた。
成田-サイパン線は毎日運航。10時15分に成田を出発し、15時にサイパンに着く。復路は土曜日以外は16時35分にサイパンを出て、19時30分に成田着。土曜日は17時5分にサイパン出発、20時成田着のスケジュールだ。機材は国内線と共通のボーイング737-800を使用。機内食を温める設備がないため、冷たいままでもおいしい弁当を出すなどして工夫する。
「他社さんが飛んでいる出発地・目的地、あまり考えていくつもりはない」
スカイマークはすでにパラオ便のチャーター便運航も計画している。市江正彦社長はダイヤ発表会見で、それ以降の展開について、
「多くの他社さんが飛んでいるような出発地も、目的地も、あまり考えていくつもりはない。少なくとも出発地や目的地に独自性があるようなところを考えていきたい」
とした上で、多くの格安航空会社が関西国際空港を拠点にしていることを念頭に
「仮に(すでにスカイマークが就航している)神戸が国際線が飛べるようになれば、新しい出発点になるな、ということは思っている」
などと述べた。
会長の佐山氏は、19年4月の記者発表会で「個人的な話ですよ」と断った上で中長期的な目標で「欧米にも飛ばすべきだと思っている」と話していた。今回は、記者団に対して、「中期的課題」して改めて意欲を示した。欧米には日本からの直行便が飛んでいない都市がまだ多く、「ニーズはある」というのが、その理由だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)