「実施団体に受験料軽減もお願いしている」
萩生田氏の発言については、負担軽減策に期待する声もあった。しかし、民間試験導入について敏感な受験生らも多いようで、放送直後に疑問や批判を書き込んだいくつかのツイートは、「いいね」が5000件以上も付く反響を呼んでいる。
ツイッター上ではその後も、「予備校と民間試験が一緒にされてんのは違う」「地方民は受験する身の丈もないということですか」「飛行機代とホテル代でいくらかかると」「経済状況による教育格差を助長する」といった意見が相次いで寄せられている。
民間試験には、野党から早期導入に反対する声が上がっている。立憲民主、国民民主、共産、社民4党は10月24日、公平な受験環境を整えるべきだとして、導入を延期する法案を衆議院に提出した。
TOEFLは、1回の受験で235ドル(約2万5000円)がかかる。英検は、最も受ける人が多いとみられるS-CBTの試験で、5800円(3級)~9800円(準1級)だ。
文科省の大学入試室は25日、J-CASTニュースの取材に対し、お金の面の懸念についてはこう説明した。
「経済的に困難な家庭につきましては、試験の実施団体に受験料の軽減をお願いしています。TOEFLは、すでにこうした家庭に対し、受験料の15%を減額することを発表しており、他の団体も検討していると聞いています。子供たちに教育の機会を等しく得られるようにするのが国の立場です」
地方の受験生については、こう言う。
「特に基準を作っていませんが、ニーズのある場所に受験会場を設置するよう、実施団体に要請しているところです。英検は、設置候補をサイト上で公表しており、例えば、北海道のS-CBT会場は、札幌市のほか稚内市、北見市など9エリアで予定しています。離島の高校生については、交通・宿泊費に充てる補助金を予算要求しているところです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)