「アナ雪2」のヒットにも期待
事業別にみると、映画を含む映像関連事業の売上高が前年同期比20.7%増の290億円、セグメント利益は4.4倍の19億円だった。二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露の全国公演などを行った歌舞伎部門を擁する演劇事業は減益ながら底堅い収益をあげ、利益率が高く大黒柱でもある不動産事業は売上高が2.8%増の53億円、セグメント利益が3.4%増の24億円と堅調だった。
ライバルの東宝にも言えることだが、ヒット作に左右される映画演劇事業を安定した賃料収入が見込める不動産事業が支える経営スタイルとなっている。このためヒットがあり、またヒットを見込める局面では株価も上がりやすい。11月22日に続編が公開されることになった米ウォルト・ディズニーのアニメ映画「アナと雪の女王」(2014年公開)は興行収入255億円と国内歴代3位の化け物だけに、続編への期待は高い。
2019年8月連結中間決算の発表を受けた10月16日の松竹の株価は一時前日終値比8.8%(1280円)高の1万5880円まで上昇し、年初来高値を更新。当日安値が前日高値を上回る「窓をあける」節目のチャート図を描いた。全体の株価が堅調なこともあるが、23日には一時1万6230円を記録、その後も1万6000円前後で推移している。株式市場には消費税率引き上げの影響への懸念や株価の高値警戒感があるものの、さらに強気に買い進まれるとの期待もある。