「炎上」で質問できなくなるというが...
森議員のロジックのうち、炎上して質問できなくなるというが、今回炎上したのは、森議員が質問通告について台風が来る時にもかかわらず、事実上遅れたからだ。それなのに、通告項目が漏れたという議論にすり替えているのはいかがなものか。通告遅れにより筆者を含め多くの人に被害を与えたが、通告項目漏れにすり替え、一転して被害者として振る舞っているのは醜い。
質問通告を遅らせたり、通告項目が漏れると文句をいうのは、国会質疑についてもはや内容では勝負できないので、不意打ちにして慌てる様だけを切り取りたいという魂胆と邪推したくなる。実際に15日の参予算委員会の森議員の質問は、前回コラム(11日配信)で紹介した毎日新聞記事をそのまま質問したようなレベルのもので酷かった。
今年5月に成立したパワハラ防止法がある。パワハラの要件は、(1)優越地位、(2)必要以上の業務、(3)労働悪化。これは、通告遅れの国会質問にズバリ当てはまる。
国会議員は、憲法上国会院内発言では免責があるので、国会院内の責任で森議員を懲罰すべきだ。そこで、原氏と筆者らで、森議員の懲罰を国会に請願しようとしている。立憲民主党会派・柚木道義議員は、こうした活動に対して「署名活動はとんでもない」と話しているが、それは憲法16条の国民の請願権を否定することになるがいいのだろうか。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「『バカ』を一撃で倒すニッポンの大正解」(ビジネス社)、「韓国、ウソの代償」(扶桑社)など。