高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
森ゆうこ議員の質問通告をめぐる「ロジック」

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   連休明け15日(2019年10月)の参議院予算委員会での森ゆうこ議員の質疑を巡り話題になっている。

   まず連休前の11日夕方の質問通告時間までに、森議員は実質的に質問通告できずに、答弁側の役所に不満がおこり、それがツイートされた。何しろ台風19号が近づいている時なので、役人の気持ちはわかる。というか、筆者自身もこの騒動に巻き込まれたのだ。

  • 参議院予算委の質疑が話題になっている
    参議院予算委の質疑が話題になっている
  • 参議院予算委の質疑が話題になっている

質問通告を公表している地方議会も

   筆者は、11日夜に、15日の予算委員会に森議員から参考人として要求されていた原英史氏(特区WG座長代理)から、森議員の質問項目の中に筆者の所属する大学名が入っているという連絡を受けた。

   実は、以前に特区に関係した意味不明で全く身に覚えのない取材を、筆者のまわりが毎日新聞から受けていたので、原氏と原氏経由で役所にもその旨を伝えていた。それで、筆者のところにその後の取材があったどうかだけの確認の連絡があった。なお、毎日新聞の取材はあったが、記事はまだ出ていない。

   こうした体験を、14日のインターネット番組「虎ノ門ニュース」で話した。それに対して、森議員ほかの国民民主党から非難が出た。そのロジックは、森議員のツイートによれば、質問通告を事前に公務員が漏らすと公務員法違反で、その結果「炎上」し、議員が萎縮して質問できなくなるので、議員の質問権剥奪で憲法違反ということらしい。

   これは奇妙奇天烈なロジックだ。そもそも国会での質問通告が漏れたら困ることなのか。議員の中には通告内容を事前に公表し、話題を集めようとする人も多い。大阪府や和歌山県議会では、質問項目は公表されており、秘密でも何でもない。

   しかも、原氏は森議員から参考人を要求されており、答弁する必要があったので筆者に問い合わせをしてきた。そもそも原氏は民間人であり、国家公務員の守秘義務はない。もちろん、原氏に森議員の質問項目を連絡したのは、内閣府の役人だろう。しかし、その連絡は参考人である原氏に対する正当な業務であるので、守秘義務違反にならない。

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