立憲民主党などによる野党統一会派は2019年10月23日、当選1回の衆院議員に向けた「政治塾」を開講した。
会派には参院議員経験者を除くと27人の1回生議員が所属するが、そのうち小選挙区で当選したのは5人のみ。解散総選挙に備えて選挙区をテコ入れし、「風頼み」ではない小選挙区での再選に向けてノウハウを伝授したい考えだ。
「政治姿勢イコール人間性。いったん始めたことは変えない」
「政治塾」は、無所属で会派に参加している中村喜四郎・元建設相、野田佳彦・前首相、江田憲司・衆院議員、岡田克也・元外相の4人が呼びかけ、報道陣に公開された初回講義の冒頭部分では、中村氏と岡田氏が姿を見せた。
中村氏は衆院選で14勝無敗。ゼネコン汚職事件で自民党を離党し、実刑が確定して失職後も無所属で勝ち続けており、「最強の無所属」「選挙の達人」といった異名を持つ。中村氏は、参加した12人の1回生議員を前に挨拶し、
「選挙は基本的には政治姿勢に尽きる。どういう政治姿勢で政治活動をやっていくか。政治姿勢イコール人間性。いったん始めたことは変えない。何が何でも、それを押し通していく」
「政党同士で戦うんじゃなくて、自分が相手と戦うんだという考えを徹した運動を続けていくことが選挙の基本ではないか」
などと説いた。
「ずっと当選し続けないと、思う政策もかなわない」
初回講師は国民民主党の玉木雄一郎代表。09年に香川2区から初当選し、4回連続で総選挙の選挙区で勝ち抜いている。この日のテーマは「小選挙区で勝つために」で、「政治塾」に先だって行われた玉木氏の定例会見では、
「1年生の仕事は2年生になること。いろんなことはもちろん、政策とか、私自身も初当選したときにやりたいと思って国会に来たが、ずっと当選し続けないと、思う政策もかなわないし、国会での発言を続けることもできない。やはり、安定的な政治基盤をきちんとつくるということが、いい政策、いい政治をしていく上でも不可欠」
「天下国家は逃げないので、まずは足元をしっかり固める。そうすると、その時々の政局に左右されず、自分の思った道を歩むことができる」
などと地元活動の意義を強調していた。
今後も「政治塾」は臨時国会の会期中に週1回のペースで行われ、次回は立憲民主党の長妻昭・代表代行が講師を務める。