天皇陛下の即位の礼が行われている2019年10月22日、NHKは8時から中断をはさみつつ、特別番組の放送を行った。
ところが視聴者、特にネットユーザーにとって番組出演者の中に1人「浮いている」ような存在に映ったのが、タレントの坂下千里子さんだった。
デーブ・スペクターもクエスチョン
番組には学者や記者らが出演する中で、1人だけタレントとして坂下さんが出演。すると、ツイッターには、
「なぜ坂下千里子を呼ぶ...」
「コメントが薄い」
と違和感がある、という感想が多くみられた。タレント・テレビプロデューサーのデーブ・スペクターさんもツイッターで、
「坂下千里子????????????????」
とクエスチョンマークを16個も並べて見せた。
例えば槍玉に挙げられたのが、賢所(かしこどころ)の儀での皇后さまの装束が純白の十二単であることについての
「素敵ですね、あの袴というか、下にちょっと薄い桜色が見えるのもすごくなんかかわいらしくて、すごく色合いが素敵だなと思いました。綺麗ですね」
というコメントである。厳かな儀式に対して「かわいらしい」といった言葉遣いがそぐわないのでは、というものだ。
一方で、
「一般目線という自分の仕事をしているだけ。あえて良い悪いって話するならこのキャスティングした人が悪いよ。そもそもNHKでのこの手の放送は芸能人ゲスト無しで良いと思うけどな」
など、「かわいそう」という同情的な反応も。坂下さんも番組中では言葉を選びながら話す印象が強く、「すごい頑張ってるの伝わってくる」など、応援するコメントも少なくなかった。なお、坂下さんはNHKの国際ニュース解説番組「これでわかった!世界のいま」で、2015年以来レギュラーを務めている。
「芦田愛菜パイセンで番組見たかった」
坂下さんと比較する人が目立ったのが、19年5月の天皇陛下即位の際の芦田愛菜さんという好例だ。5月1日のNHKの特番に出演した芦田さんは、当時14歳とは思えないような大人びた対応で驚きを集めていた。例えば、武田真一アナの「前回、30年前は昭和天皇が亡くなって悲しい雰囲気の中での皇位継承だったんですよね。それとはずい分違うな、と思うんですけども、どうですか」という、芦田さんが生まれる前の出来事について聞かれた質問にも、
「そうですね。本当にわくわくするというか、新しい時代が本当に来るんだなという実感が沸きます」
と、そつのない優等生的な答えを返した。「芦田プロ」という通称も生まれるほどの対応力を知っている視聴者にとっては、
「芦田愛菜パイセンで番組見たかった」
「芦田愛菜ができすぎ」
という感想もツイッターに書き込まれていた。