日本産科婦人科学会「WHOでも、有効性と安全性を確認」
山本氏の演説動画は、ツイッター上などで話題になったが、産婦人科医らの間では、疑問や批判の声も上がった。
日本産科婦人科学会では、国が子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨を中止した後、早期の再開を求める声明を数回出している。
学会の公式サイトによると、ワクチンで子宮頸がんの60~70%を予防できると考えられており、世界保健機関(WHO)でも、その有効性と安全性を確認している。しかし、国内では、勧奨中止後に接種率がゼロに近くなっているとして、「将来、ワクチン接種を勧奨しなかったことに対して、不作為責任を問われる」などと懸念を表明している。
厚労省の予防接種室は10月21日、J-CASTニュースの取材に対し、子宮頸がんワクチン接種後に副作用も疑われるケースは、他のワクチンに比べて比率や件数は確かに多かったと明かした。6年前に勧奨中止に踏み切ったのも、接種後に様々な症状が出てきたためだという。
しかし、接種の副作用かどうかの因果関係は明確でなく、必ずしもワクチンが原因とは言えないと見ている。ワクチンの予防効果については、まだ証明されていない状況に変わりはないものの、スウェーデンやオーストラリアでは、効果があったという報告もあるとした。
ワクチン接種と子宮頸がん検診については、「一般的には、ワクチンはがん予防を主な目的としていますが、検診は早期発見して治療に入るのが主な目的です」とその違いを説明した。
なお、接種の勧奨については、いつ再開するかはまだ明確に決まっていないとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)