勝利のみが与えてくれるものがあり、敗北からしか学べないことがある――。
3-26。
2019年10月20日、ラグビー日本代表は「W杯2019日本大会」準々決勝(8強戦)で、日本代表は、南アフリカに敗れた。悔しかった。しかし「ブレイブブロッサムズ(桜の戦士たち)」は、多くの方に勇気と希望を与えた。
ラグビージャージがワンピースになっちゃった!
記者も今回、日本代表の3戦を現場で取材した。その中で嬉しかったのが、小さな子どもたちが「ファン・ゾーン」と言われるブースで、楕円球を持って「キャー、キャー!」と叫んでいることだった。
第2戦目となったアイルランド戦(静岡・エコパスタジアム)が9月28日、開催された。競技場の手前に、子どもの遊び場的な「ファン・ゾーン」があり、そこで小さな姉妹を見つけた。真柄(まがら)美生ちゃん(3歳)、妹の芽生ちゃん(1歳)だ。
お父さんの翔一さん、お母さんの真生さんと、鹿児島市内から試合を見に来ていた。お父さんが元ラガーマンで、一緒に来たのだという。しかし、3歳と1歳の女の子。何のことだか、さっぱり分からなかっただろう。
しかし、お父さんは「記憶に残ってなくても、記念として一緒に来られたことがうれしい」。姉妹は、キッズ用の代表ジャージを着て「キャー、キャー!」とはしゃいでいた。特に、妹の芽生ちゃんは、キッズ用ジャージでも丈(たけ)が長く、「ワンピース」になっていたところが可愛かった。
2歳の女の子が、眠たい目をこすりながら...
2019年10月13日、予選プール突破をかけたスコットランド戦(横浜国際総合競技場)へと足を運んだ。そこで出会ったのが、パパやママ、お祖母ちゃんたちと一緒に来た、小﨑日菜子(ひなこ)ちゃん(4歳)と、裕芽子(ゆめこ)ちゃん(2歳)だった。
カメラを持った記者に、最初は怪訝(けげん)な顔を見せた妹の裕芽子ちゃんだったが、一生懸命に話しかけているうち、心を許してくれたのか、「いーとーまきまき♪」を一緒にやってくれた。しかし、試合は19時45分のキックオフ。眠くてグズる時もあったが、「ニッポン、チャチャチャ!」の時には小さな手を合わせて応援してくれた。
今回、取材したのは、たまたま女の子たちだった。彼女たちが将来、ラグビーをしないとしても、次なる世代に「ラグビーの魅力」を伝えてくれる可能性はある。
2019年秋、「赤白ジャージ」を着たジャパンと、同じジャージを着た彼女たち。「勇気あるものが持ちうる『本能』」を感じてくれていたと信じる。
これが、終わりではない。
スタートだ。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)