まるで別人なのに「しゃべると自分の声が聞こえる」
タカラヅカ独特のメイクで目がとても大きくなった印象を与え、「自分の顔の原型がないくらいなのですが、しゃべると自分の声が聞こえるんです」と不思議な感覚だったことを覚えているという。同時にドレスの重さに、一般人とは隔絶したスタイルでこれを毎日着こなすタカラジェンヌの体力の凄さを実感したとのことだ。
いきなり別人のようになると戸惑う体験者もいるかもしれないが、スタッフの「神対応」が贅沢な気分にさせてくれる。あまみやさんの場合、スタッフがひたすら「可愛いです」と変身した姿を褒めてくれた。とにかくスタッフが何から何までほめてくれるのである。
ドレスを着ると一般人では1人で歩くのは困難で、スタッフに介助してもらいながらスタジオの中を歩くのも、まるでかしずかれているお姫様のよう。写真撮影の時もポーズの細かな指示に加えて、「可愛いです」と褒めちぎってくれるので普段撮影されるのに慣れていないあまみやさんでも自然な笑顔で写真が撮れた。
後日自宅に送られてきた写真を見ると、ヅカメイクがなされた顔は家族にも自分と分からないくらいで、まだ自分の写真ではないかのような印象だったが、それでも綺麗な笑顔がドレスに映えていて、確かにあのエリザベートと同じドレスだ、という実感がわいたという。
「褒められていても、相手が無理に褒めているならそれが何となく分かるものですが、スタッフの皆さんがお世辞ではなく甥や姪をめでているような感覚で言葉をかけてくれて、モチベーションを上げてくれました。1人で来ていたので緊張しないよう特に声をかけてくれいたのかもしれませんが、表情が緊張でひきつっていないか。といった不安もそれで消えたのかもしれません」(あまみやさん)