今オフはクライマックスシリーズ(CS)の動向と並行して、監督の去就が注目を集めた。
DeNA、楽天は共にペナントレース終了時点まで監督の来季の続投について明言せず。楽天は一部スポーツ紙で2019年9月中旬に平石洋介・前監督の今季限りの退任が濃厚であることを報じられると、石井一久GMが白紙を強調。CS争いを繰り広げている中で選手と監督に与える影響を懸念し、不快感を示した。
「監督は続投ですか?」と記者に逆取材
監督人事が気になるのはファンだけではない。コーチ、選手も同様だ。秋口になると、「監督は続投ですか?」と担当記者が逆取材されることも。ペナントレース終了まで発表がない状況だと、「CSの結果次第で監督が代わるとかそんな噂も聞きました。早く発表してくれないですかね。なんか落ち着かないです」と漏らす選手もいた。
今シーズンの場合は結局、DeNAはCSファーストステージで敗退した7日の阪神戦(横浜)の試合後、南場智子オーナーがラミレス監督に来季の続投を要請したことを発表。一方、CSファーストステージ・ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で敗退した楽天は平石前監督の退任と三木肇2軍監督の監督就任を発表した。平石前監督は来季新設される「2軍統括」のポストを用意されたが断り、球団を去ることを決断した。
ペナントレース終盤に監督の去就を発表する球団があれば、今回のDeNAや楽天のようにCS終了後に公式発表する球団もある。過去には監督の退任が発表された後に、選手たちが一致団結してCSを勝ち抜くなど驚異的な強さを見せたチームもあった。どの方法が正解とは言えないが、CS終了後に退任が発表された監督の心残りは、グラウンドでファンに別れを告げられないことだろう。
ファンも思いは同じだ。楽天の球団創設時から応援しているという40代男性は「平石さんがああいう形でチームを去ってしまったのは寂しいですね。選手で7年、指導者として8年、楽天一筋で15年間尽くしてくれた。最後にファンの前で直接声を聞きたかった」と複雑な表情を浮かべる。平石前監督には「もう一度楽天に戻ってきてほしい」と楽天ファンからの声が多い。今後指導者としてどのようなキャリアを積んでいくのか注目される。