誰にでもわかる大腸の健康のバロメーターは...
「大腸劣化」という現象は気づきにくいが、大腸の健康を維持するコツはあるのだろうか。松井教授はシンプルに、「ウンチが臭ければ悪い、臭くなければ良好です」と答えた。大便の腐臭もまた大腸の悪玉菌によるもので、臭いの度合いが低ければそれはビフィズス菌などの善玉菌が悪玉菌を抑えてくれている証だという。「赤ちゃんのウンチは臭くない」といわれるのも、母体の産道や母乳からビフィズス菌を取り込んで、乳児の腸内はビフィズス菌で恵まれているためだ。さらに母乳にはビフィズス菌を増やす成分が含まれていることも影響している。
食物繊維やビフィズス菌を含む食品を増やし、なるべくストレスのない日常生活を心がける。これを2週間も続ければ大腸の環境は改善できるが、大切なのは継続だ。加齢に伴ってビフィズス菌は減少ペースを速めていくが、継続して大腸にやさしい生活を続ければ、健康寿命を延ばすことができる。40歳以上の壮年期ならば、定期的ながん検診によって疾患の早期発見も可能で、食事と検診を継続することで大腸劣化を撃退できるのだ。 このような大腸のメカニズムを知って、食べ物の表示にも気をつけたくなった、という人が増えそうだ。