プロ野球の2019年ドラフト会議が2019年10月17日、都内で行われる。注目のドラ1候補は、163キロ右腕・佐々木朗希投手(大船渡)、奥川恭伸投手(星稜)、森下暢仁投手(明大)の3人だ。いずれも入札が予想され、佐々木は5球団が競合する可能性も。今年はどのようなドラマが待ち受けるのか。12球団のドラ1候補を探ってみる。
ドラフト会議を前にしてすでにセ・パの6球団が1位指名選手を公言している。広島は即戦力投手の森下、中日は地元・東邦高の石川昴弥内野手、ヤクルトは甲子園準Vの奥川の1位指名を表明。パ・リーグでは、西武、ロッテ、日ハムが佐々木の1位指名を公言しており、この6球団に関してはこのままの方針でいくようだ。
セは即戦力指名の傾向に
セ・リーグをみてみると、佐々木を1位指名する球団はなさそうだ。巨人は長谷川国利スカウト部長が佐々木を高く評価しており、1位指名候補に挙がっていた。だが、ドラフトは原辰徳監督(61)が全権を掌握しているとみられ、指揮官の意向を反映し、将来性に加えて即戦力としても期待できる奥川の1位指名に踏み切るとみられる。
阪神も奥川の1位指名が濃厚だ。生え抜きのスター選手を求める阪神は、奥川と佐々木を軸にドラ1候補を選定してきたとみられる。矢野燿大監督(50)は指名選手について具体的な名前を挙げなかったものの、ドラ1に求める要素として「チームの中心になるような選手」と話しており、即戦力の期待がかかる奥川が有力視される。
策士アレックス・ラミレス監督(45)率いるDeNAは、ドラ1候補を12人とし、メディアをけむに巻いた。DeNAの課題は、内野強化とMLB挑戦を表明している筒香嘉智外野手(27)の補填だろう。一方で即戦力投手の補強も課題のひとつで、今ドラフトでは即戦力として期待のかかる森下の指名が有力とみられる。
佐々木の地元楽天は指名見送りも
パ・リーグは佐々木に集中しそうな気配をみせている。早くから1位指名を公言している日ハムに続き、西武、ロッテも1位指名を表明。ソフトバンク、オリックスも佐々木の1位指名が有力で、佐々木の地元球団である楽天は、佐々木指名の可能性を残すものの、即戦力の森下に舵を切るとみられる。
セ・パ12球団が1位指名するとみられる選手をまとめてみると、奥川、佐々木、森下、石川の4人が予想される。石川は中日の単独の可能性が高く、他の3人は入札となりそうだ。奥川は巨人、阪神、ヤクルトの3球団。佐々木は、西武、ソフトバンク、ロッテ、日ハム、オリックスの5球団。森下は広島、DeNA、楽天の3球団が指名するとみられる。
ドラフトの歴史のなかで様々なドラマを生み出してきた。163キロ右腕に甲子園準V投手、そして大学野球界を代表する森下。例年に比べて全体的に小粒と評されながらも世間の注目度は高く、今年のドラフト会議から目が離せない。