1947年までは祝日だった
神嘗祭の約1カ月後の11月23日には、天皇陛下が天神地祇すべての神々に収穫を感謝される「新嘗祭」が行なわれる。
新嘗祭も神嘗祭と同様、歴史ある祭祀で「その年に収穫した穀物に感謝する祭祀」なのだが、当然違いもいくつかある。
簡潔に言うと神嘗祭は、新穀を天照大神にお供えする儀式。一方、新嘗祭は、新穀を奉るとともに、天皇陛下みずからがその新米を召し上がる点が大きく異なる。さらに天皇の即位後初めて行なう新嘗祭を「大嘗祭」という。
ちなみに神嘗祭は、1874年から1947年まで祝祭日であり、今は廃止されてしまったが、新嘗祭は「勤労感謝の日」という祝日として、現在まで続いている。
勤労感謝の日は、「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」という意味がある。
名称は変わっても、神嘗祭の「収穫を祝い感謝する」という思いを継承したものともいえる。
新米をいただくときには、古くから続く伝統ある行事にも思いを馳せて、感謝の気持ちを忘れないようにしたいものだ。