藤田晋氏の「町田ゼルビア」改名は、何故ここまで大反発を買ったのか

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「町田ゼルビアを活性化させたいのではなく...」

   サッカージャーナリストの石井紘人氏はJ-CASTニュースの取材に「サポーターの声を蔑ろにしてしまった」と話す。藤田氏自身も上記のとおり、改名にあたって意見募集などをしなかったため謝罪しているが、それだけではない。

「ホームスタジアムの町田市立陸上競技場最寄りの町田駅は、新宿から電車で30~40分と割と近いんです。でも駅からスタジアムまでが遠い。バスで20~30分、そこからさらに山を10分くらい歩かないといけない。

ファンは藤田さんがオーナーになった時、『町田駅前にスタジアムを作ってくれるのではないか。行政に働きかけてくれるのではないか』と期待していました。町田はもともと駅前にスタジアムを建設する計画がありましたが実現できていないのです。駅から徒歩圏内にスタジアムができたら、クラブや町の活性化に大きな影響を与えます。

ところがそういう話はなく、『名前を変えて東京・世界に打って出たい』みたいな話が出てきた。それは町田ゼルビアを活性化させたいのではなく、町田ゼルビアを移転させたいのと一緒じゃないかと受け取られました」

   藤田氏は「ゼルビア」という名前について「意外と覚えづらい」「ゼルビアを残し、かつ東京を入れるチーム名もあらかた検討したが、結局長い」として改名に理解を求めた。海外の選手・スポンサー獲得を見据えてのことだろうが、こうした説明は過去のJクラブの例とも矛盾しないかと石井氏は指摘する。

「かつての『ジェフユナイテッド市原』は、『ジェフユナイテッド市原・千葉』になりました。『コンサドーレ札幌』も『北海道コンサドーレ札幌』になりました。そういう例があった中でいきなり『ゼルビア』を消そうとしたから、サポーターからすると『なぜゼルビアはダメなのか』と思うのは自然です。今までのチーム名に愛着はないのか、自分たちを無視して新しいマーケットに働きかけたいのではないかと勘繰ってしまいますし、そう映ってしまいます」
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