紛糾の教員認定試験、文科省が対応検討へ 二次テスト「全員合格」で物議

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   2019年10月中旬に予定していた小学校教員資格認定試験の二次試験。しかし台風の影響で実施できず、受験者全員が合格となる異例の措置が取られた。

   対応を疑問視する声が相次いでいたが、文部科学省は2019年10月15日、J-CASTニュースの取材に、別の評価方法を検討すると明かした。

  • 教職員支援機構の公式サイトより
    教職員支援機構の公式サイトより
  • 教職員支援機構の公式サイトより

「なぜ延期じゃないのか」

   小学校教員資格認定試験は、教職課程を履修していなくても教諭資格を得られる制度だ。

   二次試験は12、13日の2日間予定されていたが、試験の事務を担当する教職員支援機構が11日、「気象状況、鉄道等の交通機関の運行予定等を踏まえ、一部の会場で受験者及び運営職員の安全が確保できないことから、全会場で2日間とも中止と決定しました」と発表した。そのため、受験予定者は特例として全員合格となった。

   今年度の出願者は917人。マークシートによる一次試験を経て、二次試験では、筆記、実技、口述試験が予定されていた。

   授業観察や指導案作成などをする三次試験は11月中旬に行われ、合格すれば小学校教諭の二種免許状が授与される。大学で教育実習などの単位を2以上修得していれば、三次は免除される。過去5年間の合格率は11〜14%と易しい試験ではない。

   発表を受けて、SNS上では「なぜ延期じゃないのか」との疑問が相次ぎ、教員の質の低下を招くとの指摘も出た。

さまざまな制約で再試験は困難

   文科省教育人材政策課の担当者によれば、二次試験の予備日は設けておらず、試験会場・運営要員の確保や採点スケジュールの制約などから再試験は難しかったという。そのため前例はないが、二次試験の「免除」に踏み切った。なお、受験案内の中では「災害等による中止の場合も含め、いかなる場合も再試験は行いません」と明記する。

   しかし、二次試験に代わる何かしらの方法で評価を行う方針だといい、「教職員支援機構と当省で協議し検討していきます。その点は近々公表させていただきます」(担当者)

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