阪神は2019年10月13日、東京ドームで巨人と対戦し1-4で敗れ、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ敗退が決まった。同ステージでは巨人に2連勝を許し、後がなくなった第3戦目で勝利し望みをつないだが、第4戦目では巨人の投手陣に抑え込まれて完敗。CSファーストステージで2位DeNAを撃退し下剋上を果たした矢野阪神だったが、日本シリーズの切符を手にすることは出来なかった。
昨シーズンのリーグ最下位から3位に躍進しCSファイナルステージ進出を果たした矢野阪神。レギュラーシーズンではリーグトップの防御率を誇る投手陣がチームを支え、中継ぎ陣は抜群の安定感を見せた。投手陣に関しては先発陣の強化、野手陣は打力アップと守備力強化が課題となるだろう。来シーズン、阪神がさらなる飛躍を遂げるには何が必要なのか。阪神OBで野球解説者の野口寿浩氏(48)に聞いた。
4番・大山のバッティングに物足りなさも
「個人でみると、ルーキーの近本選手、木浪選手らいい若手が出て来たなと印象です。その一方で大山選手、中谷選手、北條選手ら伸び悩んでいるように見えた選手もいました。大山選手の成績は決して悪いものではありませんが、阪神の4番というところで見れば物足りなさを感じます。秋季、春季キャンプではとにかくバットを振ること。ポテンシャルが高い選手ですので来シーズンに期待したいです」(野口氏)
今シーズン、野手陣に目立ったのが失策の多さだ。阪神の失策はリーグワーストの「102」。リーグ唯一の3ケタを記録しており、リーグ最少となる中日の45失策の倍以上の数字となる。野口氏は「守備に関しては練習するしかありません。秋季、春季キャンプでどれだけノックの数をこなすか。特に若手の野手陣には頑張ってほしいです。いかにエラーをなくして得点力を上げるか。これも課題のひとつになります」と指摘する。
投手陣では今シーズン、西勇輝(28)がチーム最多の26試合に先発し、青柳晃洋(25)が25試合で続く。プロ2年目の高橋遥人(23)は3勝にとどまったが、ローテーションの一角として18試合に先発し、10試合でクオリティスタートを達成。将来のエースとして首脳陣からの期待は高い。