世論調査の数字をみると...
今回の社説でハンギョレは、「国民の同意もなしに『政治的判官』を自任した検察の捜査は、行き過ぎで過酷だったという点を否定しがたい」と、チョ氏に対し同情的とも受け取れる指摘もしていた。また、京郷新聞(韓国語版)の分析記事では、チョ氏の「検察改革」の実績について、法相(法務部長官)として部内でできる範囲で一定の成果を上げており、残る改革は国会が対応すべき事案だと、やはりチョ氏に同情的と言えそうな論点が並んでいた。
各メディアとも、辞任の背景として世論の変化を挙げている。政権支持層である革新系内部からもチョ氏に批判的な声が出ているとして、世論調査会社リアルメーターの14日の数字で、与党(共に民主党)と第1野党(自由韓国党)の支持率の差が、文政権発足以降で最小(0.9%ポイント)となり、文大統領の支持率も最低値を更新(41.4%)したことを伝えている。
もっとも、保革メディアともにチョ氏辞任を受けて世論の分断の緩和に期待を寄せている。中央日報社説は「文大統領と与党は国民の声にもっと耳を傾けて、二分した民心を落ち着かせるために最善を尽くさなければならないだろう」、ハンギョレ社説も「韓国社会が直面したさまざまな懸案を再確認して共に悩む出発点とするのが望ましい」としている。ただ、チョ氏就任への反対を押し切って任命した文大統領への批判はすぐには収まりそうになく、世論を二分する状況が緩和へ向かうかどうかは未知数だ。