勝った。
耐え忍んだ。
28-21。
「ラグビーW杯2019日本大会」で、初の8強以上を目指していた日本代表が、予選プール最終戦(10月13日=横浜国際競技場)、スコットランドを撃破し、プールA首位で、史上初となるベスト8入りを決めた。
「被災者の皆さまに、勝利を届けたかった」
10月12日~13日にかけ、台風19号が日本を襲った。各地で川が氾濫し、浸水した家屋も相次ぎ、現時点でわかっているだけでも30人近くの犠牲者が出た。
同日の日本―スコットランド戦の試合開催が危ぶまれたが、ワールドラグビー(WR)は「試合開催は可能」と判断。横浜には7万人を超える観客が押し寄せ、大いに盛り上がった。試合開始前には、両国ともに黙祷(もくとう)を行い、被害に遭った方々へ、哀悼の意を表した。
序盤は、日本がスピーディーな展開でゲームを優位に進めた。しかし後半は、パワーに勝るスコットランドに防戦。よもや逆転されるのか...というピンチが何度もあった。
試合後の会見で、リーチ マイケル主将はこう語った。
「(台風19号で)みんな大変な中、床をキレイに拭いてくれたり、(水たまりを)スポンジで吸い取ってくれたりした。遠いところからも、応援に来てくれた。それが、僕たちのパワーとなったんだなと思います」
途中、もみ合いになったスコットランド選手たちも、
「最後は、日本が強かった。力負けだ。いい試合をありがとう」
両国の選手たちは、互いの健闘を讃え合い、ガッチリと握手を交わした。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)