阪神が2019年10月7日、横浜スタジアムでDeNAを2-1で下し、ファイナルステージ(10月9日~)進出を決めた。
1勝1敗のタイで迎えたクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦は、阪神が6回に1点を先制し、7回に同点に追いつかれるも直後の8回に逆転に成功。阪神の5人の投手陣がDeNA打線を4安打に抑える好投を見せ、「下剋上」を達成した。
「初戦のDeNAの継投が全てだと思います」
激戦の末、ファイナルステージへの切符を勝ち取った矢野阪神。現役時代、阪神、横浜などで活躍した野球解説者の野口寿浩氏(48)は、勝敗を分けたのは「ベンチワークの差」とした上で、この3連戦を次のように分析した。
「この3連戦は、初戦のDeNAの継投が全てだと思います。ラミレス監督は7回になぜバリオス投手を起用したのか。ラミレス監督は試合後、元々バリオス投手を抹消する予定だったとおっしゃっていましたが、抹消を予定している投手を起用する意図が分かりません。クライマックスシリーズはそんなに甘いものではありません。バリオス投手からエスコバー投手への継投のタイミングも疑問符がつきます。あの場面で慌ててエスコバー投手を投入して失点し、阪神の勢いに飲まれてしまいました」(野口氏)
野口氏は、DeNAのラミレス監督の采配と対照的に矢野監督の采配には「ブレ」がなかったと指摘する。「勝利の方程式」の一角を担うピアース・ジョンソン投手(28)が、夫人の出産に立ち会うために一時帰国。この短期決戦において痛い離脱となったが、中継ぎの岩崎優(28)、ラファエル・ドリス(31)、能見篤史(40)らがジョンソンの穴をカバーし、守護神・藤川球児(39)は回またぎの献身的な投球で勝利に貢献した。投手陣が矢野監督の采配を理解し、実行に移した。